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犬のドキュメンタリー 

毛を剃られた犬の痛々しい生傷がテレビに映る。
俺は「げぇ」と目を剃らし、背を向ける。

すると後ろから
「グロ画像になってしまった」
と声がした。

振り向くと、先ほどの犬がニュースを読んでいるアナウンサーのように
シャンとして背筋でこちらを向いていた。

「アッ」という俺の目をまっすぐに見て
犬は「俺はグロ画像になってしまった」ともう一度言い
2秒、間をおいて「ワン」と付け加えた。

そして再度ハッキリとした口調でゆっくりと
「俺はグロ画像になってしまったワン」
と言い直した。

俺はむせた。
食った覚えのない豆粒を吐き出した。

犬はハラハラと涙を流し
「ただ生まれて、ただ飯を食って、ただ排泄をしただけなのに、
俺はグロ画像になってしまったワン。
語尾に『ワン』と付けることで、グロい肉塊ではなく、グロい犬になれるワン」と言った。

おかしい。

「犬」「猫」「牛」「豚」「青木龍一郎」が写った5枚の写真を幼稚園児に見せる。
「左から順になんの画像か言ってみそ?」と促すと
幼稚園児は「犬」「猫」「牛」「豚」「アウトサイダーアーティスト気取り」と答えた。

次に
「傷がついた犬」
「傷がついた猫」
「傷がついた牛」
「傷がついた豚」
「傷がついた青木龍一郎」
が写った5枚の写真を幼稚園児に見せる。
「左から順になんの画像か言ってみそ?」と促すと
幼稚園児は「グロ画像」「グロ画像」「グロ画像」「グロ画像」「グロ画像」と答えた。

俺たちは1つでも傷が付けば全てグロ画像になってしまう。

次に「傷がついた犬」の横に吹き出しを描いて
「死ぬまでかわいがってほしいワン」というセリフを付け加える
そして幼稚園児に「これはなんの画像か言ってみそ?」と促した。
すると幼稚園児は「グロい犬」と答えた。

俺は走って家に戻った。
ドアを開けると、先ほど画面内にいた毛を剃られた犬が
リビングのコタツに鎮座していた。
俺が「実験は成功です。あなたの言ったことは正しかった」と話しかけると
犬は「俺は2年前に目が見えなくなった。もう降参したかったのにNHKと日テレに取材をされた。もう降参したかったのに」と白く濁った目から黒い汁を流した。

俺が「それは涙か」と聞くと犬は「勘弁してくれ」と答えて思い切りゲロを吐いた
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[ 2021/02/08 01:41 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)

電車の窓にヨダレで三角を描くと… 

すき家でキムチ牛丼食べてたら、隣のジジイが「これにはマヨが合うんだよ」とか言いながらマヨネーズかけてきたんだけど…。

すき家でキムチ牛丼食べてたら、キズナアイのグッズをたくさん身に着けたオタクの4人組がめっちゃ早口で会話しながら入ってきたんだけど…。席が4人分空いてるところがなかったんだけど、僕の両端が2人分空いてて、オタクの1人が「2・2で座るしかない! 2・2で座るしかない! しょうがない! 2・2で座るしかない!」ってめっちゃ早口で言ってて、僕の両端に2人ずつ座ってきた…キモ…(僕がズレればよかったのですが、頭が真っ白になっていたのと、体が固まってしまって動けなかった)。4人は座ったあとも僕の存在を完全に無視してずっとしゃべってたんだけど、いきなり右隣の奴が僕と肩組んで「俺らオタクはやっぱり……」とか言ってきた……。ビックリしたら、ほかの3人が「ギョギョギョグフグフグフ!」って笑いながら「一般の人に迷惑かけんな! 一般の人に迷惑かけるのやめぃ!www」ってツッコんでて、僕はあと2口でキムチ牛丼を食い終わるところだったんだけど、耐えきれず、残したまま店を出てしまった。そんで普通に金を払い忘れてて、警察呼ばれて逮捕されて、誘導尋問で殺人もしたことにされて、牢屋にぶち込まれて死刑が確定しました。「刺殺刑」っていう新しい死刑らしく、普通に刑務官に包丁で腹を刺されて殺されるらしい。I am Japanse comedian...。and,I must die…。

電話がかかってきたので出たら、知らない男の声で「ゴリラのモノマネができるようになったんだよね。聞いてほしいかも?」と言ってきたので、「どうぞ」と言ったら、そこからまったく声が聞こえなくなってしまった。10分待ったがずっと無言なので電話を切ろうとしたら、「ゴリラは」と急にまた話し始めたのだが、反応速度が間に合わずそのまま切ってしまった。もう1回かけ直しても「お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません。それ以外にも思うことはいろいろありますがここでは言えません」というアナウンス音声が流れるだけだった。

散歩をしていたら、犬を連れて歩いている男がすれ違いざまに「ジーコって死んだっけ?」と聞いてきたので、0.1秒の反応速度で「死んだよ」と返した。家に帰ってWikipediaで調べるとまだ生きていた。

小学生のとき、運動会の予行練習中に同じクラスの奴がアリの頭をちぎって、その頭に無理矢理胴体を見させて「これ自分の胴体だぞ! これ自分の胴体だぞ!」とアリに話しかけていた。そいつは別の時はトンボに安全ピンを10本くらい刺して、それにションベンをかけていた。こいつは将来なんらかの事件を起こすんだろうなと思っていたが、最近、某元アイドルと結婚したらしい。俺はその元アイドルの事務所に電話をかけて「あんたんとこの結婚した相手は猟奇的殺人犯の素質がある。今すぐ別れさせろ」と言ったが、電話口の相手は「だから結婚したんだって」とだけ言って電話を切ってしまった。もう1回かけ直しても「お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません。それ以外にも思うことはいろいろありますがここでは言えません」というアナウンス音声が流れるだけだった。

とある評判の博多ラーメン屋に行って、ラーメンを待ってるときになんとなくズボンを下ろしてチンチンをイジっていたら、店の奥さんが急に「チンコ、シコってしまったんですか!!!!????」と聞いてきた。「はい、シコりました。気持ちよかったです」と答えた。すると「うちの店は初めてですか?(答える間もなく)何故チンコをシコったんですか?スープを飲む前に何故チンコをシコったのですか?ルールがあるじゃないですか。まずスープをというルールがあるじゃないですか!」と。そして持ってきたラーメンを手放さずにこう言った。「これをお出しすることはできません。マナーに反する人はお帰りください」。唖然とした。「だってここにチンコが生えてるから、シコっちゃいけないなんて書いてないからシコりました。じゃあ、今から水で洗いますよ。で、尿道の中を洗いますよ。それでも駄目なんですか?」と訊ねたら、また同じことを言われた。長男を見たら、長男は「あちゃー」という顔で奥でもじもじしている。そっか、わかった。次は旦那さんだ。3秒ほど無表情で見詰めたら、反応があった。「お客さんは酒を呑みますか?利き酒って知ってますか?利き酒をする前にシコりますか?そういうことです。そんな神経の人に食べてもらっては困るのです」。ここでまた奥さんがかまし始める。「うちは看板も出さずに必死にやっているのですよ。スープを認めてくれないなら、やっていけないんですよ。チンコが勃起していたらまともにスープを味わってもらえないじゃないですか?そんな人にスープを呑んで味を判断されたら、もう終わりなんですよ、はぁーはぁーはぁっ」。

へずまりゅうに恋愛相談してみようかな…「とてもとても大事な人ができました」って…。

電車でエロ動画を観ていたら、隣のおっさんが「見して」と言ってきたので、「いいすよ」と言いながらその人の顔を見たら、僕が小学生のときに少林寺拳法の道場に通っていたときの師範・冨田先生だった。「冨田先生ですか?」と言ったら、「そうだよ。青木君。君が道場でションベンを漏らしたことをよく覚えているよ。あの瞬間に少林寺を教えることがバカらしくなってね。君が道場を辞めた2週間後に俺も師範やめて無職になったんだ。今は毎日朝から晩まで電車に乗っているよ。ここが一番温かいんだよね」と遠い目をしながら、優しい口調で話してくれた。

俺は涙を流しながら、冨田先生に尋ねた。

「僕が『少林寺辞めます』と言ったとき、先生は『お前は素質があるからまたやりたくなったら戻っておいで。道場の名札も残しておくから』と言ってくれたことを未だに覚えていて。あのときに言っていたことは本当だったんですか」

「本当じゃないよ。青木君はクソザコだった。筋肉が衰えた猿が朦朧とした意識の中でパンチを放っているようだった。名札は次の日にハンマーでぶっ壊して、みんなでピストルの的にして遊んだ。最後はションベンをかけて近所のドブ川に流したよ」

「ありがとうございます」

「愛してる」

「キズナアイのオタクに囲まれたとき、僕はどうすればよかったんですか?」

「何度考えてもわからない」

「ゴリラのモノマネが聞けなかったとき、僕はどうすればよかったんですか?」

「詳細キボンヌ」

「ジーコが死んだと勘違いしてしまったとき、僕はどうすればよかったんですか?」

「その答えは『キスマイ超BUSAIKU!?』の再放送を見ればすぐにわかる」

「虫殺しの同級生が元アイドルと結婚したとき、僕はどうすればよかったんですか?」

「カンフーしてる中国人って実は愛のキューピッドらしい。『アイヤー!』って言ってるじゃん? あれって『愛矢』って言ってるらしい」

「えっ」

「M-1グランプリ2021、トップバッターは『シンナー吸い込み団』です!」

「えっ」

「すべて、愛だった-La vie d'une petite fille-」

「ラーメン屋でシコったことを怒られたとき、僕はどうすればよかったんですか?」

「謝ればよかった」


僕が一瞬ハッとした顔をすると冨田先生は「最近、ますます寒くなっているから気を付けてくれ!」と言いながら走って隣の車両に移動してしまった。そしてその瞬間、電車が脱線した。僕が乗っていた最後尾の車両だけが被害が少なく、それより前の車両はすさまざいい被害で全員が即死したという。

同じ車両に乗っていた女が腕に刺さったガラスの破片を抜きながら「なんでいつも変われないんだろう…。今日だけは絶対に変われると思ったのに…」と言っていた。
[ 2021/01/03 20:56 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)

お金が溜まったら 

お金が溜まったら定食屋を開こう…。
店の名前は「ウマすぎてGOMEN」…。

お金が溜まったら飴を発売しよう…。
商品名は「ナメてもいいよ」…。

お金が溜まったらお笑いコンビを組もう…。
コンビ名は「笑時間(ショータイム)」…。

お金が溜まったらAVメーカーを設立しよう…。
レーベル名は「Hなコロンブス」…。

お金が溜まったら改名しよう…。
名前は“純粋な鬼”と書いて「純鬼(じゅんき)」…。

お金が溜まったらホテルを建てよう…。
ホテルの名前は「キチガイの溜まり場」…。

お金が溜まったらグルメ雑誌を発行しよう…。
雑誌の名前は「めし どこか たのむ」…。

お金が溜まったら女性向けの和食ダイニングを開こう…。
店の名前は「美美庵(びびあん)」…。

お金が溜まったら相撲取りになろう…。
四股名は「野菜」…。

お金が溜まったら落語家になろう…。
名前は「ドリンクバー亭インテリア」…。

お金が溜まったら新たなポン酢を開発しよう…。
商品名は「がんばれニッポン酢」…。

お金が溜まったらよく貧血になっていた自分の幼少期を映画化しよう…。
タイトルは「立てない天使」…。

お金が溜まったらラーメン屋を始めよう…。
店の名前は「すすれすすれ」…。

お金が溜まったらWindowsやMacに肩を並べるパソコンを開発しよう…。
OSの名前は「ものしり白書」…。

お金が溜まったら生け花教室を開こう…。
教室名は「心を枯らすな」…。

お金が溜まったらアダルトサイトを開こう…。
サイト名は「ムホッ!ニャハハ」…。

お金が溜まったらヒマワリ畑のど真ん中にCDショップを建設しよう…。
店の名前は「孤独が癒される気がして」…。

お金が溜まったらメイプルストーリーを始めよう…。
プレイヤー名は「99%良い人です☆」…。

お金が溜まったらブログを始めよう…。
タイトルは「365歩の地球一周」…。
[ 2020/05/02 02:55 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)

あいつ、包丁持ってるぞ! 

新幹線でキムチを食べながら、スマホで「坂上どうぶつ王国」を観ていたら
兵隊のヘルメットを被った3匹のチンパンジーがウォータースライダーを滑ってくる映像が流れてきた。

チンパンジーが滑り終わる前に、画面がぶつりと真っ暗になった。

そして3秒間の沈黙が流れたあと、
白くフェードアウトする形で、ゆっくりスタジオの坂上忍に画面が戻っていった。
画面の右上には「なすすべなく流されるチンパン兵…あの坂上の目に涙が…」というテロップが出ている。

シーンとしたスタジオ。
悔しそうな表情で、
何かを言いたそうに唇を噛みしめる坂上忍。
異様な空気だった。

坂上は目に涙を浮かべながら
絞りだすようにこう言った。

「今の映像さ……最後まで流れなかったでしょ…。
 ウォータースライダーの映像なのにさ…
 バシャーンってプールに飛び込むところまで流されなかったの…。
 その直前で映像がカットされてるわけじゃん…。
 もうさ…何が起っちゃったのかわかるじゃん…。
 悔しいというか、悲しいというか…
 この世界ってすごい残酷なんだなって…」

どうやら先ほどの映像は
3匹のチンパンジーがウォータースライダーを滑り、
プールに飛び込んだ瞬間にショック死したときのVTRだったらしい。
だから途中で映像がカットされたようだ。
高所から落ちた人間の映像も、落ちた瞬間は放送できるか、
地面に叩きつけられる瞬間は放送できないだろう。

坂上忍は続けた。
「あのチンパンジー、兵隊のヘルメットを被ってたでしょ。
 あれは自分たちで被ったんだって。
 人間が被せたわけじゃないらしいのよ。
 でもさ、あの子たちの近くにヘルメットを置いたのは間違いなく人間じゃん。
 そうなったらチンパンジーからしたら、もう被るしかないよ。
 そういう意味では、人間がヘルメット被らせたことと大差ねえじゃん!」

坂上は震えながら声を荒げた。
ほかの出演者たちは何も口を出すことができず、
ただただ張り詰めた空気が流れていた。

するとそこにオードリー春日が現れた。

「いやいやいや、どーもね。春日ですよ」

坂上やほかの出演者たちは突然の乱入者にビックリした様子で、
声も出せずただ見つめるだけだ。

「すごい空気でございやすな。ま、これだっけやっちゃいましょうか。
 …トゥース!」

その瞬間、春日の指先が大きな爆発音と共に破裂し、
火薬と火花がスタジオ中に飛び散った。
スタジオの一同は悲鳴を上げながらパニックに陥り、
四方八方へと走り出した。

右上のテロップは
「爆発音にスタジオ騒然! 坂上どうぶつ王国史上最大のハプニング発生!」
に変わっていた。

坂上は
「これが人間と動物の楽園かよ!
 これが俺の夢見た坂上どうぶつ王国なのかよ!」
と叫びながら、服を脱ぎだし全裸となった。

そして血相変えた表情でテレビカメラを見つめ
視聴者に向かって
「ヘイ! パス!」
と言った。

その瞬間、画面が切り替わり
アンパンマンのオープニングが流れ始めた!!
フジテレビで日テレのアニメが流れている!!
画面の上には
「日テレさんごめんなさい(笑)」
と表示されている!

これ以上、観ていると頭がおかしくなると判断した俺は
イヤホンを外し、スマホから目を外した。

すると俺の乗っている新幹線の座席の横に
おっさんが立っていた。
そのおっさんは俺に向かって
「新幹線でキムチ食べるのやめれ」
と言ってきた。

俺は
「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず 自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・」と言ったが、すぐに
「孤独のグルメのパクリじゃん」とツッコまれた!

その瞬間乗っていた新幹線がゆっくりと地面を離れ宙を舞った!
そして車内アナウンスが「次は、お前が初めて他人のキスを目撃したジャスコの駐車場…お前が初めて他人のキスを目撃したジャスコの駐車場…」と目的地を宣言し、大空を舞った。
後ろのほうの乗客の誰かが「『TIZ』に出てくる芋虫型の列車みたいだ!」と言った。
俺は「TIZ」をプレイしたことがあったので、すぐにピンと来て、ちゃんと笑えた…。
[ 2020/04/03 01:24 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)

青木龍一郎「R-1ぐらんぷり」挑戦記 

皆さん初めまして。小倉流星(おぐらりゅうせい)と申します。普段は栃木県の「コンセーレ」という貸しホールでトイレ清掃のアルバイトをしています。今回、青木龍一郎さんから「『R-1ぐらんぷり』に出るので、その様子をレポートして、関東チェーンソーチェーンソーズに載せてほしい」との依頼があったので、私がブログ執筆を担当しました。拙い部分もあると思いますがご容赦ください…。

青木さんが言うには「とても面白いネタができた。かなり計算して作っていて、自信がある」とのことでした。お笑いが好きな方なので、いろいろなネタを分析して、抜群に点数が付きやすく観客ウケも狙えるネタを作り上げたらしいです。私もかなり期待していたので、予選前日に電話で「当日は友達も連れて行っていいですか? 知り合いが多いほうが会場がホームになりやすいと思います」と聞きました。すると青木さんは「絶対にないと思うけど、万が一スベったら恥ずかしいから1人で大丈夫(笑)。初見のお客さんにもウケやすいネタだと思うからそんなに知り合いを増やすとかしなくていいと思う」と言ったので1人で行くことにしました。緊張も特にしてなさそうで余裕を感じさせる声の雰囲気でした。

「R-1ぐらんぷり」1回戦当日。青木龍一郎の出番はCブロックでした。AブロックとBブロックにはテレビに頻繁に出ている芸人も多く、ガンガン笑いをとっていました。会場はかなり温まってる感じだったと思います。開演から1時間を過ぎて、いよいよ青木さんの出番が近付いてきました。なんだか私もかなり緊張していました。

そしてついにそのときはやってきました…。

出囃子と共にステージ上に表れた青木さんは、
「DEATH NOTE」のLのようにボサボサの髪の毛で…
「DEATH NOTE」のLのように裸足で…
「DEATH NOTE」のLのように伸び気味の服を着ていて…
要は「DEATH NOTE」のL。

これは一番面白くない格好?

青木さんは狂気を演出したかのような目つきで観客を睨みつけると、
ユラユラと歩いて真ん中からやや剃れた位置につきました。
そして、こう言い放ちました。

「僕が自殺をする100の理由…」

僕は驚きました。
お笑いのネタで一言目に「自殺」という言葉が入ってくることなんて絶対にないから。
お構いなしに青木さんは続けます。

「コンビニおでんの『味染みだいこん』に味が染みてなかったから…」

…?
唐突に「味染みだいこん」とか言ってますが、よくわかりません。
観客の笑い声は今のところゼロです。
青木さんは続けます。


「僕が自殺をする100の理由…フーセンガムを膨らませるのに100回連続で失敗したから…」


あっ、一言ネタを羅列する感じのシステム系のネタなんだと理解できました。
「くだらないことですぐ自殺しようとする男」のネタなんだと。
それと同時に僕をとんでもない不安が襲ってきました。
「これはつまらないネタなのではないか?」と。
このクオリティの一言ネタをあと2分間続けるだけだったらどうしよう…。
悲惨なことになるぞ…。背筋がゾワゾワするのがわかりました。
そもそも「僕が自殺をする100の理由」と言ったあとで、「100回連続で失敗」とか言ってるのも「100」という数字が被っててなんかややこしいなあとモヤモヤしました。
「3回連続」とかでいいのでは。
「100回連続」までいっちゃうと、ありえなさ過ぎて冷めてしまう気がします。
でも、そんな考案も杞憂に過ぎないかもしれません。
そもそも「フーセンガムを膨らませるのに失敗する」の部分がまったく面白くないのだから。
数字をいくら調整しても無理なんです。
詰んでるんです。


その後、青木さんはさらに続けました。

「僕が自殺をする100の理由…『どこからでも切れます』が切れなかったから…」
「僕が自殺をする100の理由…ビデオ借りてきた映画が翌日テレビでやっていたから…」
「僕が自殺をする100の理由…激辛ラーメンが辛すぎて食べられなかったから…」
「僕が自殺をする100の理由…彼女の鼻毛が出てたから…」
「僕が自殺をする100の理由…電車のドアに2日連続で挟まれたから…」

悲しいことに不安は的中してしまいました。
それと同時に友達を連れてこなくてよかったという安心が襲ってきて、
後半は逆にずっと安心してました。
青木さんの声はどんどん小さくなっていきました。
まだ観客の笑いはゼロです。

青木さんはモジモジした表情で3秒くらい沈黙すると、
「今日はお客さんが少し笑ってくれたので、
あと少しだけ生きてみようと思います…。」
と言って、足早に舞台を去っていきました。

僕は悪い意味で鳥肌が止まりませんでした。
最後の「あと少しだけ生きてみようと思います」は恐らくお気に入りの決めゼリフなのでしょう。
しかし、観客が一切笑っていないのに「今日はお客さんが少し笑ってくれたので」と言っているあたり、機転が利かな過ぎて引いてしまいました。
演者としての能力が低いので、用意してきたセリフを読み上げるので精一杯なんです。
「少し笑ってくれる」という見立てを立てていたのも生々しくて気持ち悪いと思いました。
このネタで爆笑を取れると思い込んでるほうが、まだ「バカだなあ」で笑い飛ばせて救いようがあったと思います。
裏笑いを狙いにいったら、表裏の概念がなくなるくらいズルズルにスベったという感じでしょうか。

これはあまり考えたくもないことなのですが、
格好とかネタのフォーマットを考えると、
青木さんはちょっとモテようとしていたのでは…?
真相は闇の中です。

青木さんのあとに登場したのはゴー☆ジャスさん。
めちゃめちゃウケを取っていて、青木さんが凍り付かせた空気を一瞬で戻していました。
芸人さんってやっぱりすごい!

Cブロックが終わったところで、僕は席を立ち、舞台裏の青木さんに会いに行きました。
しかし青木さんはいませんでした。
急いで会場を出て、ふと左を向くと、かなり遠い距離のところに
駅に向かって歩いている青木さんの背中が小さく見えました。

僕は「お疲れ様でした」とだけLINEをしました。
それ以上、なんと声をかけていいかわからなかったから。

青木さんから返信がきたのは2日後でした。
「コロナやばくない? マジで宇都宮に避難しようかな」

R-1なんて最初から出ていないかのような内容でした。

あれは幻だったのでしょうか?
あの凄惨な光景は夢だったのでしょうか?


いや、きっと現実です。
2ちゃんねるの「R-1ぐらんぷり」の1回戦レポのCブロックの欄にこう書いてあったから。



●青木龍一郎(アマチュア)
劣化版・我人祥太
[ 2020/02/26 23:07 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)