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ある朝、起きたら
僕の実家は長崎県にあることになっていた。
その部屋のちょうど半分には見たことのある漫画やゲームソフト、表紙に落書きがしてあるノート、浪人時代に使っていた河合塾のテキストなどがあるんだけど
もう半分には、聞いたことも無いような塾のテキストがあるし、ゲームソフトだってプレステの野球のソフトだし
僕はスポーツには興味が無いから野球のゲームを買うはずが無いのに...

その時、部屋のふすまがスッと開いた

僕は心臓が止まりそうになった。
僕の母親と、全く知らない男が2人並んで、部屋の中にいる僕を、無表情のままジッと見ている。

窓の外から子供の泣き声が聞こえる。
僕は耳を塞ぎそうになったが
塞いだ瞬間、母親とその隣の男に殺されることを予感し、それをしなかった。

母親は、いきなり口から何かをペッと吐き出した。
ツヤツヤの玉が畳に落ちて、少し転がった。
飴玉だ。


落ちた飴玉は微かに震えている。

そのとき、僕は目を疑った。

飴玉が徐々に変形しているのだ。
震えながら、ただの丸から人の形になっていく。

小さな親指大の人形になった。

母親はそれを再び拾い上げると、無言で僕に見せて、ニッと笑った。
僕はどうすればいいのか分からなかったので、とりあえず
「あっ」
とだけ言った。

今度は母親の隣の男が突然
「おい、お前、ちゃんと勉強してんのか」
とぶっきらぼうな口調で話しかけてきた。

僕は「してないよ?」と言った。



男はハァ~ッと大きなため息をついた。
そして廊下から黒い紙袋を持ってきて、僕に渡した。
中にはやせ細った猫の死体が入っていた。
水分はほとんど蒸発し、スルメか干し芋のような見た目になっていた。
そして何よりも強烈な悪臭を放っている。
何事か分からない僕がただただ唖然として、男の方を見ると
男は満足気にニッコリして
「まぁ、こういう感じのことしてるけど、結局、俺は...結局、俺は...」
と口ごもり、そのまま、また無表情になり黙ってこちらをジッと見るだけになってしまった。


僕は嫌な予感がして母親に言った。
「あんた、偽物?」


母親らしき女が答えた。
「キャあ、煮シぃき辞まなィで独ネばぁイイわァ?」


やばい!この人ニセモノだよ!!




僕は急いで2階の窓から飛び降りて、逃げることにした。
足をくじいたけど構わなかった。
無我夢中で逃げた。
後ろを振り返ると、2人は僕の部屋の窓際まで移動していた。
そして、窓からこちらを眺めて手を振っていた。
母親の手には包丁が握られていた。

住宅街のような路地を成り行き任せに突き進んでいると、1軒の交番が目に入った。

僕は急いでその中に入った。
中は昔の民家のようで、座敷がありその中央には囲炉裏があった。

こんな交番があるわけない。僕は瞬時に判断した。

しかし、その奥にはテレビが大音量で流れていて、背を向けた警官姿の男が1人、ジッとテレビを眺めていた。
テレビには、男性アナウンサーが映っていたが、こちらも何も言わずにジッとこちらを見つめているだけ。
まるで画面のアナウンサーと警察官がにらめっこをしているようだった。

奇妙なのは、画面はまるで静止画のように、男がただ黙ってこちらを見ているだけなのに
物凄い大音量で不審火のニュースが流れ続けていることだ。

そのとき、警察官がこちらを振り向こうとした。
僕は怖くなって、そいつがこちらを向いて顔を見せる前に、目を背け、逃げ出した。

遠くにアドバルーンが見える。
真っ白なアドバルーンだ。
そこには、二つの目が描かれていた。

すれ違った車椅子に乗った男が僕に向かって言った。

「首を吊った人はあぁいう目になるらしい」


なんで、それ、昨日も聞いた気がするんだけど、なんで?

ん?あらら?

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03.19 (Thu) 00:35 [ 日記 ] TOP▲