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イエローパニック 

僕は白黒写真を手に入れた。

侍が両手にピストルを構えて笑っているという非常にショッキングな写真だ。



今日は風が強くて、風音が僕の耳の中でグルグルとうずまきをつくっている。
僕は怖く寂しい、妙な気分陥ってめまいをおこした。
クラクラに耐え切れず、ベッドに潜り込み寝ようとした。
だが、家の中に「帰れ!」という少年の甲高い声が響き渡った。

チャイムの音だ。


僕はチャイムの内部をいじくって
「ピンポン」という音から「帰れ!」という声に改造したのだ。


我が家のチャイムを鳴らした来訪者が
その音にビビって小便を撒き散らしながら
真顔で全力疾走で逃げるというのを狙ったのだ。



しかし、何回も家の中に「帰れ!帰れ!」という声が響き渡る。
今回の来訪者はこの声に全く動じていないようだ。


「帰れ!帰れ!帰れ!帰れ…」





連打している。
僕はそれを無視してベッドの中で羊を数えていた。



帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!
帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!
帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!
帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!帰れ!
かえれ!かえれ!カエれ!カエれ!カえレ!ヵェレ!ヵぇレ!



あまりの連打に機械が壊れ、少年の声は無機質な機械の声へと変化した。



ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!
ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!
ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!
ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!ヵェレ!ヵぇレ!
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ



甲高い機械音が家中に響き渡った。
僕は怖くなりふと窓の外を見た。
すると窓から見知らぬ老婆がこちらを覗いていた。
僕はベッドの中でおしっこを漏らした。

飼ってるカメレオンが突如、痙攣しはじめた。
そして血を吐き出しながら、カゴの中で暴れ狂っている。


風は未だ止まずに、家の窓をガンガンとたたき続ける。
老婆は風の影響を全く感じていないかのごとく、平然とした顔で僕を睨みつける。



カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ






僕は玄関にフラフラと歩いていき玄関の覗き窓から来訪者を見た。
そこには、包丁を持った大男がチャイムを必死な形相で連打していた。





通報しようと電話をとった。
電話から「僕ら青木龍一郎君が大好きなんだ」って声が聞こえる。



嘘だ!




僕は声を張り上げて電話を叩きつけようとしたが、それは声にならなかった。



うそだ
の3文字は僕の外部に出ずに、僕の内部に響きわたった。
部屋の中には電話の破壊音のみが響いた。
電話はピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと大きい音を出し始めた。



カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ




今、テレビ見てる。
チャイムは未だに鳴り止まない。





僕は決心した。
そして、両手にピストルを構えた。
そして、玄関を出た。
そして、目の前には包丁を持った大男と老婆が立っている。
そして、僕は笑った。
そして、こう言った。




「我はピストル侍でござる!代々伝わるピストルの術!いざ受けよ!!」
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[ 2008/02/25 19:41 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)


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