キャベツ 

自転車で駅前から家に帰ってくる途中
電球が切れたように空が暗くなり
雨が降ってきた

さっきまで人間への殺意丸出しだった、強い強い日射の攻撃性も
ただ黒さに
ただ黒さに
変わってしまった

いやしかし、土砂降りなのである
しかもfeaturing雷である
雷ってのはどいつを狙ってるのか分からないピストルみたいで気持ち悪い

僕はすぐにびしょ濡れになってしまった


雨は死んだ奴らの尿である
頭にワッカつけた死体たちが笑いながら、お小水をこぼしている

僕は自転車に乗りながら放尿を開始した
空から降ってくる雨と自分の尿を同化させるアイデアである
周りに気づかれずに堂々とおもらしするアイデアである
国道沿いを疾走しながらのおもらしはなんて気持ちがいいのだろう
血尿が出たという誤算を除けば、僕のアイデアは本当に完璧だった
土砂降りの中を、血を垂らしながら滑走していたとしても
周りの人間は
初潮がきた奴が嬉しさのあまり、国道沿いを駆けずり回ってる
としか思わないだろう




田んぼの横を通り過ぎようとしたとき
田んぼの真ん中あたりで
父親らしき男が
娘らしき少女を
包丁でめった刺しにしていた


血を噴出してぐったりする娘を
父親は抱きしめて

「愛してるよ。愛してるよ」

と叫んだ
僕はその光景を爆笑した

雨で流された少女の血は
地面の土と混ざり合って
とても汚い色を表現していた

やがて、父親に雷が落ちた
バリバリに光に照らされながら
父親はさらに娘を刺しつづけた
そうでもしないと血はすぐに流されてしまうから

雨でよく分からなくなっていたけど
2人は涙を流していたのだろう?

雨はさらに激しさを増した

僕はズボンをまくり
半ズボンになって
田んぼに入っていった
真ん中まで行くと、既に息絶えた父親から包丁を奪い
自転車に乗って、家に持ち帰った


その包丁でキャベツを千切りにして
ドレッシングをかけて食べた
僕は疲れてしまって、キャベツを口に入れたまま
眠ってしまった




ただ
この世界を愛する理由が欲しかった
あの父親は娘を愛していた
あの父親には黒目が無かった
娘には眼球自体無かった

あれは世界を愛する理由じゃない
殺人では何も表現できない


夢から覚めたら、雨は止んでいるのだろう
と思い込んでいたが
再びキッチンで眼を覚ましたとき
いまだに空は、永遠に明るさを失ったかのように暗いままで
雨も降り続けていた

雨が上がったとき、再びあの親子の死体に包丁を返す勇気が無い

僕が口の中のキャベツを全て飲み込んだら雨は止む。
[ 2008/07/19 22:31 ] 日記 | トラックバック(-) | CM(12)

青木くんには奇才って言葉が一番似合う
[ 2008/07/19 23:16 ] [ 編集 ]

これはwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
[ 2008/07/19 23:53 ] [ 編集 ]

良い意味で日本語をバカにしてるように思いました
あと、発想がすごい
[ 2008/07/19 23:53 ] [ 編集 ]

青木くんのように、才能があるのに、こうしてひっそりと活動している人ってやっぱこの世界にはいっぱい居るんだろうなと思う
[ 2008/07/20 00:05 ] [ 編集 ]

壁|;Д;)
[ 2008/07/20 02:58 ] [ 編集 ]

壮絶すぎて何故か笑った
[ 2008/07/20 04:22 ] [ 編集 ]

なんか、すごい綺麗だと思った。うん、こういうのすごく好きだ。
[ 2008/07/20 07:38 ] [ 編集 ]

雨のなか ずぶ濡れで立ちすくんでる青木くんを想像したらなんかキュンとした
[ 2008/07/20 09:20 ] [ 編集 ]

ちょっと感傷的すぎだぜo(^-^)o
[ 2008/07/20 18:09 ] [ 編集 ]

うわあ泣きそう
ていうか泣いてます
あと相互リンクありが…とうなんて…思ってないんだから…
泣いてます
[ 2008/07/20 22:57 ] [ 編集 ]

脳細胞がズタズタに引き裂かれた感覚だよ、この詩
うふふ、気味が悪い(^ω^)だが気分は良いです
[ 2008/07/20 23:39 ] [ 編集 ]

本当は毎回感想を書きたいんだけど、
青木君の前だとどんな言葉も陳腐なものになってしまう気がして何も書き込め無い。

って前にも言ったっけ?
[ 2008/07/21 03:25 ] [ 編集 ]

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