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そよめきと鳴る窓は君の外に 

何も無い畳の部屋、僕は全裸で寝転んでいた。
赤ちゃんみたいに手足をぎゅっと身体に寄せて、じっと天井を眺めていた。
四日間飲まず喰わずの僕の頭の中にはオペラが大音量で流れていた。

部屋のふすまがすっと開き、誰かが入ってきた。
坂東英二だった。


「あのー、体ガリガリやないか君。何してんねん、おい」
「坂東さん…申し訳ないです…」
「申し訳ないことあらへんよ。でもねー君ねーあれやで
 人間って喰わんと死ぬねんでぇー」
「…」
「今、あいにく、ゆでたばぼ持ってへんのですわー
 全部、喰ってしもたわー。どないしよー」
「…体が寒いです。坂東さん」
「そりゃーそーや、君、何も着てへんやないか、どうすんねん」




かすかに開いた窓から吹き込んでくる青白い風が
僕と英二の体を無愛想に撫で回した。
僕は何かに怯えるようにずっと震えていて
英二の顔にも、テレビで観るようなあの笑顔は全く無かった。


その時、更に誰かが部屋に入ってきた。
黒柳徹子と野々村真だった。
彼らは両手にローソンのコンビニ袋を持っており
その中にはたくさんの食べ物が入っていた


坂東「黒柳さんにマコトやないか。どうしてここにおんねん」
野々村「青木君が餓死寸前だとマネージャーに知らされて、急いで東京から駆けつけたんです
    黒柳さんも一緒に来てくださって…。あ、これ持ってきましたよ!」

マコトは持っている袋を差し出した。

坂東「マコト!お前それ食べ物か!でかした、マコト!
   マコト、君、ほんまよくやったマコト。マコト、それを渡してくれ
   ってこれ、パピコやないか!どうなっとんのやマコトォー!」


コンビニ袋の中にはアイスしか入っていなかった。
誰もが良くない夢かと思った。
だけど、それは終わる気のしない、嫌な匂いのする現実だった。

坂東「まぁ、ええわ!青木君は寒くなるかもしらんけど、餓死するよりはマシや!
   僕らでアイスを食べさせたろう!」

英二と真と徹子は、一心不乱に僕の口へとアイスを運んだ。
僕も気力を振り絞り、虚ろな目でそれをぺろぺろと舐めた。




それは本当に寒い食事だった。





手足の先が、寒さで嫌な感じがするのが分かった。
そして、普段は饒舌な黒柳徹子がまだ一言も喋っていないことに気づいたのもこのときだった。

全裸の僕は自分の体が凍っていく感覚に陥った。
そしてアイスになり、自らも誰かに食べられてしまうのかもしれない。
そう思った。



坂東「あかん、青木君の体が冷えすぎてる!
   何か体を温めてあげられるものはないんか!?」



その時、部屋に誰かが入ってきた。
草野仁だった。笑っていた。


「ハッ。ハッ。ハッ。青木君、これを着たまえ」


仁は自らの服を全て脱ぎ捨て全裸になると、それを僕に丁寧に着せてくれた。
そして笑いながら部屋の壁をボコボコに殴りつけ、豪快な穴をたくさんと開けた。
パイナップルを片手で握りつぶしたり、厚い鉄板を真っ二つに引きちぎったり
親指と人差し指でクルミを潰したりしてひたすら笑っていた。

僕の冷え切った体は段々と溶け始め、元気も取り戻した。




発情した坂東英二が野々村真に飛びつきキスをした。
「マコトォー。マコトォー。」



草野仁は笑いながら、片手で黒柳徹子をひねり潰し
「ドンダケェー」を連呼した。



いつの間にか冷たい風は止んで
少しの熱を含んだ黄色い風が僕らを撫で回した。
夕焼けに満たされた部屋の中で
みんな少しだけ顔を赤くしていた。
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[ 2009/09/10 22:25 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)


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