戦争ドキュメントで日本軍がみんなで万歳してる映像を見て、ワイプの女子アナが「わっ、すごい」って言ってた 

龍一郎は全ての情報が遮断された部屋に閉じ込められていた。
手は後ろで縛られ、その不安定な精神状態からか、何度も痙攣を起こしていた。
床は龍一郎のよだれで汚れ、それと汗が混じりあって腐ったようなひどい匂いが部屋を満たしていた。

そこに大学の同級生、浅井がやってきた。
「龍一郎、今は耐えるときだ。ほら、昼飯を持ってきたぞ」

浅井はセブンイレブンで買ってきた冷やしうどんを龍一郎のために
ラベルをはがし、つゆを注ぎ、具を箸でカッカッカッカッカッってうどんの上に乗せてやった。
そして食べれる状態になった冷やしうどんを龍一郎の前に置いた。
龍一郎は低い唸り声を上げながら態勢を整え、イモムシのような格好で顔を器に突っ込み、箸を使わずうどんをすすった。
龍一郎の顔面に溜まった汗とうどんの汁が混ざり合うのを見て、浅井は酷く気持ち悪い気分になったが
龍一郎はお構いなしにうどんをジュルジュルとすすっていた。

あと少しで食べ終わるところで龍一郎は
「ギャアーーッ!!」と絶叫して、食べたうどんを全て吐き出してしまった。
ひどい匂いがあたりに広がる。
浅井は「うっ!」と声を出し、思わず鼻をつまんだ。

そして自らのゲロの上で痙攣しながら龍一郎は爆笑し始めた。
「ギャハハ!!バイキングで漬物しか食わないってお前!!ギャハハ!!アホやん!!ギャハハハハ!!」

浅井はそれを見て泣きそうになってしまった。
が、こらえた。


すると今度は急に爆笑がピタッと止み、龍一郎は真顔でポカンとした表情になった。
そして、自分の周りのゲロを目の当たりにすると、浅井の方を向き、利発な顔で
「すいません、すぐ片付けます。本当に申し訳ない。」
と言った。

浅井はそれを見て、大人しそうな印象を受けた。
しかし、ふと下を見ると、龍一郎の肛門から大量のどす黒い血が流れていた。






ヤバイ死んじゃうよ!!
誰か助けて!!!


あいにく、先月、この世から医者が絶滅したからもう救急車は無い!!

慌てふためく浅井に龍一郎は声をかけた。




「死ぬです。」

「えっ」

「龍一郎死ぬです。」

「何言ってるのさ、まだ助かる方法はある。今は我慢だ。」

「ごはんおいしかったです。ありがとうございましたです。」
龍一郎はニッコリと微笑んだ。


その微笑みを見た瞬間、浅井にとめどない殺意が溢れ出した。
しかし、それをこらえた。


「龍一郎、お前はもうこうやって情報を遮断するしか無いんだ」

「それは僕にも分かってるです」

「耳の障害で、ある一定の周波数の音しか聞こえない友人がいてね、例えばそいつが普通の曲を聴いても
 そいつはベースとかキックドラムみたいな低い音しか聞こえないんだ。
 だからボーカルとかも全く聞こえないの。そんな彼も一応、音楽は聞くんだけど
 当然ボーカルとか上モノのメロディとかは一切関係無しで、ベースとキックドラムのみで聞く曲を判断してるわけ。
 そんな彼が聞いてるのが、マッドカプセルマーケッツと浜崎あゆみだったんだよ。
 本当に恐ろしいよな。」

「僕は逆だよ。ボーカルしか聞こえないんだ。だから何の曲聴いてもアカペラになっちゃうの。
 インストゥルメンタルは無論、『無音』になるよね。」

「そんな龍一郎は何を聞いているの」

「BINGO BONGO(ユースケサンタマリアが20年前に在籍していたラテンロックバンド)、TERIYAKI BOYZ、加藤登紀子、浜崎あゆみ...などかな」

「えっ」

「気が滅入るようなポケモン交換を2時間ひたすらやらされてた」

「えっ…?....ん、あっああぁ。あ~。そうかそうか。」

「僕の大学入学は、僕をほっといても僕に友達できるかどうかの実験だったらしい」

「えっ、えっ、…あぁ、ふ~ん、へぇ~、あっ、そうなんですか、はいはい。あっ。」

「やや、明日は学校があるぞ。地下の核シェルターへ逃げろい!」

「えっ、………あぁ~。はいはい。えっ、………えっ、」

えっ、あれ?
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[ 2014/08/12 01:08 ] 日記 | トラックバック(-) | コメント(-)